NY発の日本人チームによる、鋭い視点で報道のあり方に迫る海外ドラマ「報道バズ」が遂に米英国で配信スタート

特集インタビュー

「嘘のない報道」を信念にニューヨークで奮闘する人たち。こんな時代だからこそ浮き彫りになるヒト、モノ、コトの見方とは。


日本のメディアやジャーナリズムのあり方、社会においての女性の見られ方や偏見や差別などのトピックを大胆に追求した海外ドラマ「報道バズ」が今年、日本を始めアメリカとイギリスで公開され話題となっている。制作はニューヨークを拠点に活動する日本人の脚本家の近藤司さん、監督の川出真理さん、俳優の本田真穂さんらによる制作チーム「デルック(Derrrrruq!!!)」が手がけた。今回はそんな彼らにドラマの見どころについてインタビュー。


このドラマを作ろうと思ったきっかけを教えて下さい。

 

近藤:HBOの「ニュースルーム」というドラマを見て、リアルな時事ネタをドラマで大胆にも追求していく展開に、こんな雰囲気で日本語版を作ってみたいなと思ったことがきっかけです。僕たちの脚本を書いたのが2014年で、なるべく早く世に出したいなと思っていたものの実際に撮影が終わったのが2016年、公開が今年2020年になるので、その間はドラマの内容がどんどん古くなってしまうのではないか心配しておりましたが、幸か不幸か日本の政治やメディアは過激とまでは言いませんが、その間に色々な人を巻き込んで変化し、より色々と疑問や語りたいことが増えていく世の中になったと思います。 それがちょうど作品の中で語りたかったこととタイミング的に良かったなと思っています。

 

脚本家の近藤さんによると「全力で失敗し、全力で立ち上がる人たちの物語」とのことですが、まさに主人公・和田明日佳の演技や、ストーリー展開など全てに、”全力感”が伝わます。何か工夫されたことはありますか。

 

近藤: できるだけ具体的な社会事情を入れたいと思っていたこと、キーとなる事件は抽象化しつつもいつ見ても意味のある形にしたいと思いました。また、脚本監修の佐藤大さんを始め、監督の川出や主演の本田らの人生観を始め、幸運にも僕がそれぞれの人生観についてフィードバックをもらい、そこから学びながら脚本を書こうと思っていたので、このドラマにはそれぞれの人生観が反映されています。それが結果的に登場キャラクターらにも「全力で立ち向かおう」という意気込みが現れているのではないでしょうか。

 

川出: 役者はほぼ日本人だけですが、ニューヨークという大きな背景にうまくはまるようにしました。また、社会派ドラマですが、コメディ要素もあり、サスペンスも入っているという部分で3つの要素のバランスを取るのに工夫しました。

 

本田: 和田明日佳はどんな状況でも自分を可哀想と思わず、被害者意識をもたないので、そういう芯の強さは慎重に考えながら演じました。また、役者の皆んな「セリフを読んでいる」のではなく、自分だったらこんな風に言葉を発するだろう…と、何度も自分たちが本当に言うように考えながらセリフ合わせをしたので、違和感がなかったのではないのかなって思います。

 

このドラマの制作中に起こった印象的なエピソードがありましたら教えて下さい。

 

川出: 撮影開始から色々障害がありスケジュール的にも厳しく、かなり押してしまいました。その時に、撮影中に絶対雪がふらないようにと皆んなで祈っていて、11月に入ってもニューヨークなのに雪が降らなくて、撮影が終わったクランクアップしたその瞬間に雪が降ったのは、ちょっと感動しました。

 

躍動感あふれるドラマのイントロではニューヨークの街並みがリアルに映し出されいてかっこいいですね。デザインや構成はどのように考えられたのですか?

 

川出: まさにそのニューヨークの躍動感とジャーナリズムっぽい雰囲気、新人記者たちが駆け巡る様子を、それぞれ映像、テキスト、音楽で表現しました。ジャーナリズムのキーワードと俳優の名前を並べるアイデアは、ニューヨークで活躍されている映像編集者のYasu Inoueさんが提案してくださいました。音楽もニューヨーク在住のミュージシャン&作曲家のShoko NagaiさんとSatoshi Takeishiさんが作ってくださったオリジナルで、失敗しながらバタバタと走り回る登場人物の姿を音にしてもらいました。ひときわ目立つアコーディオンが主人公の和田明日佳をイメージしています。

 

このドラマでは“情報を発信する側”の葛藤が描かれていますが、見る人は“情報を受ける側”として考えさせられる部分があるでしょう。日本、アメリカ、イギリスそれぞれどのように見てもらいたいですか?

 

近藤: 消費者が「メディア・リテラシーを高める必要がある」と言われるようになって何年も経ちますが、簡単なことではありません。大事なことは間違いから学ぶことでは無いでしょうか。誤った情報を信じてしまい拡散してしまった、その一方で重要な情報を集める努力ができてなかった、といった経験は特にコロナ禍で多くの人が経験しているかと思います。報道バズの登場人物は情報を出す側としても受け取る側としても失敗を犯しながらも、それを学びとして活かそうとします。「自分が判断を誤るかもしれない」という自覚が人の成長につながっていると感じてもらえると嬉しいです。


https://www.youtube.com/watch?v=vfAc8pFeago 報道バズ(英題:HodoBuzz) 1話約20分 全6話
日本: Amazonプライムビデオ、Google Play、YouTube、VIDEX、RakutenTV、ひかりTV、 ビデオマーケット(DMM、GYAO!ストア含む)、ツタヤTV (JCOMオンデマンドは9月1日から配信開始)
アメリカ:Amazonプライムビデオ(期間限定プライム会員無料、8月17日告知開始)
イギリス:Amazonプライムビデオ(期間限定プライム会員無料、8月17日告知開始)
言語:日本語バージョン(英語部分は日本語字幕付き)
英語バージョン(日本語部分は英語字幕付き)
制作国:アメリカ レイティング:PG12
脚本:近藤司(デルック)監督:川出真理(デルック) 出演:本田真穂(デルック)、松崎悠希、倉持哲郎、辛源、コリンズ・ユリエ エグゼクティブプロデューサー:マスヤマコム(桝山寛) プロデューサー:川出真理、近藤司、本田真穂(以上デルック)、遠山豊(Promax inc.) _ 脚本監修:佐藤大(ストーリーライダーズ) 製作:Tall Trees Playground LLC
製作協力:TATE Hatoryu NY / Y.K. Well Enterprise、Spyce Media LLC
協力:マイシアターD.D.
公式Webサイト


今回インタビューした「デルック」によるドラマ「二アベ(2ndアベニュー)」も是非お見逃しなく!「二アベ(2ndアベニュー)」は、日本の社会からはみ出してしまったグラビアアイドルのマリコと、アメリカで育ったゲイの日本人学生タイチが、ニューヨークのブルックリンで繰り広げるサバイバルコメディ。 https://youtu.be/ObPOSv220ks

 

 

 

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