ニューヨークで初めての妊娠。妊娠期間中の様々な体や心の不調を抱えて仕事に通った日々(妊娠初期篇)

新米ママが綴るニューヨーク子育てコラム Vol. 1

家族や親しい友人達から離れた海外での妊娠、出産、育児は全てが戸惑いと不安だらけ。日々奮闘する新米ママのニューヨーク子育てコラム第1弾。



お母さんたちが1番最初に「お母さん」になるための試練。それが妊娠期間ではないでしょうか。女性はそれぞれ違った考え方、人生設計やタイミングで妊娠を経験します。

私の場合は妊娠した当時は36歳でした。

 

それまで結婚7年間子宝には恵まれなかったものの、結婚して2年目に愛犬のゴマジロウと、近所で発見した時に衰弱して死にかけていた子猫の太陽が家族に加わり、家族の一員となった犬1匹とネコ1匹を我が子のように大切に育てていた為、あまり子供が欲しいという強い願望はありませんでした。

それに加え、結婚前に私は子宮頸癌初期の手術をしていたこともあり妊娠はまだ可能な子宮頸部は残してもらっていたのですが、子供ができづらいのは旦那も承知で私との結婚を決意していた為、子供をもうけることに関しては2人とも『できたらできたで。できなければそれはそれで。』と長年思っていました。

 

『35歳を過ぎたら、普通に妊娠できる確率は本当にわずか。だから妊活しないと。みんなそうしてるよ。』

 

日本に里帰りした時に、同級生の友達が私にアドバイスをくれました。アメリカに帰る前に体温計まで手渡してくれて、その時に彼女は2人目の子供を妊娠したことを報告してくれました。

(毎日体温測って、排卵日をメモにとってそれに沿って妊活するなんて。。面倒臭い。。。みんなそこまでしなくても。。)

これが当時の私の本音でした。全く妊活する気ゼロでした。普通に夫婦がお互い思いやって毎日生活してればそれでいいじゃないかと。

そうしてニューヨークに帰ってきて普通の日常に戻り大好きな仕事をしていたのですが、生理の予定日に生理がこなかったのです。普段なら生理が1日遅れてもそんなに気にしないのですが、やたらと毎日だるくて喉が乾く。猫の太陽が私の胸の前を横切った時に今まで感じたことのない激痛が走りました。

あれ?もしかして。まさかね。

スーパーに買い物に行ったついでにドラッグストアで1番安い検査薬を購入して一応調べておこーってくらいの本当にかる~い気持ちでトイレに入ったら15秒待つと陽性の赤い印が出ると書いてあるのに2秒で陽性反応が出ました (笑)。

 

もうこの胸の張りと痛み、体のだるさ、喉の渇き。

この時点ですでに体の異変は始まっていたのです。

 

その翌週に私がすぐにしたことはまだ安定期に入っていなかったけど、すぐに妊娠の報告を上司にして仕事のシフトを変えてもらいました。今は大丈夫だけどきっとこれから9ヶ月間このシフトだと続けられないだろうな、と思ったのです。

当時、私はマンハッタンにあるカフェでお昼過ぎから夜まで1日7時間週に5日立ち仕事をしていたのですがこの体のだるさを感じて、すぐに朝10時から午後3時までのランチラッシュの時間帯の5時間で週に5日のキャッシャーのパートタイムに切り替えました。もちろんお金のことも心配でしたが、私は少しでも長くこの仕事を続けられる方法をとりました。。

妊娠発覚から1週間もしないうちにシャワーを浴びた後や電車に乗った時に息苦しさを感じて、頻繁に酸欠みたいな状態にに陥るようになりました。

朝10時の出勤なのに6時前には起きてシャワーを浴びて少し休んで、家もできるだけ早く出て電車の中で苦しくなって1度途中下車して外で休んでまた電車に乗っても遅刻しないようにと。

朝早い起床はこの先ずっと続けました。

それから又1週間すると、やたらと食べ物の匂いや味が強烈に感じることが増えてきました。そう。これが世間でいう『つわり』の始まりでした。大好きだった葉っぱ系の野菜が全部苦くて気持ち悪くなったり、大好きだった緑茶でさえも強烈な苦味を感じていました。

食べ物の気持ち悪さがいろんな食材に広がっていってついには外の道路の匂いやうちの壁の匂いにまでも敏感になってしまって寝てても気持ち悪くて夜中に起きてトイレで吐くような日々が3週間続きました。毎晩夜中にトイレで吐きながら辛すぎて泣いていたのを今でも覚えています。

 

英語でつわりのことを「morning sickness」と言います。朝びっくりするほど体調が悪いんです。

私が住むアストリアからマンハッタンに向かう電車は通勤のラッシュアワーで座れません。お腹も大きくないから誰も妊婦とは気づかないので席も譲ってもらえることはありませんでした。

朝の満員電車は妊婦の私は命がけでした (笑)。

 

私の職場は日本スタイルのおにぎりカフェだったのでご飯が大量に炊ける匂いが本当に辛くなってしまったのと、まさかの出血をしてしまったので妊娠発覚から2週間でお休みを取るはめになっていまいました。

アメリカでは妊婦さんが急につわりや妊娠のトラブルが原因で長期のお休みを取ったしてもクビになったりするということはあまり聞いたことがありません。私の旦那さんもそんなことあるの? 職場側が訴えられたらどうするの?っていうくらいです。

私の働いていたカフェのオーナーも急なこの期間のお休みを快く承諾してくれました。国や文化が国によって違うとはいえ本当にありがたかったです。職場のスタッフもこの急なお休みに対して嫌な顔せず快く受け入れてくれたことに今でも感謝しています。

今思えば私の場合つわりは3週間くらいで徐々におさまっていったのですが、つわりを体験している本人が精神的に辛いのはこの苦しさがいつ終わるかわからないのです。医学的にもつわりの明確な期間や原因は何ひとつ立証されていなくて個人差があるのです。

 

日本の年配女性から何度か聞いた言葉があります。

『妊娠中働いて忙しくしていたらつわりなんかにならない。家でずっとじっとしてる暇な人がつわりになる。忙しいとつわりを感じない。』

これはただ単につわりが軽かった、もしくはなかった人が自分の感覚と偏見だけで言っている言葉。もし同じようなことをつわりがひどくて言われている人がいたら聞いてください。

私が経験したので声を大にして言いたいです。

『つわりのしんどさは仕事してるかしてないかは絶対に関係ありません! 毎日満員電車に乗って仕事に行っててもつわりはあります。なので仕事をしてない妊婦さんもしている妊婦さんも全く気にする必要なしです。』

妊娠を体験して私が感じた事は、妊婦さんの見えない辛さや努力を労れない人たちの言葉や態度は体調が不安定になり始めた妊婦さんたちの精神状態をとても不安定にしてしまいます。

その心のストレスや不安が体調にも胎児にも影響を及ぼすことは時には危険なことにもなりかねません。それを踏まえて少しでも多くの人が妊婦さんたちの見えない辛さを理解してくれることを私は心から願っています。

 

家族や身内、親しい友人達から離れた海外での妊娠、出産、育児は全てが戸惑いと不安だらけ。そんな子育てに奮闘する新米ママのニューヨーク子育て事情をレポート!
 
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