2000年に私がニューヨークに移り住んでからの食生活は、朝食には通勤途中に毎日ドーナツやベーグルとコーヒーを買って食べ、ランチやディナーは、忙しさを理由にパスタやサンドイッチ、バーガーなど買ってきたものや外食。毎日そんな生活を送るとそれもそのはず、10年目頃にして体重が15キロ近く増えてしまいました。
そして2013年に長男を産んだ後は、産前よりもさらに10キロ増え、合計25キロも増えてしまったのです。当然、成長して駆け回る息子に追いつくことができず、もうこれはダイエットをするぞ!と腹に決めて、様々なダイエット方法を試してきました。
私が試してきたダイエット方法はカロリーを控えるために、とにかく食べる量を減らす。
さらには10日間レモネードだけのマスタークレンズや、コールドプレスジュースだけのファスティング。でも断食や極端なカロリー制限は一時的には痩せますが、結局体質は変わらず、食べるとまたすぐ元に戻ってしまうんです。そういった体重のアップダウンが続いている状態でした。
結局、食べたいものを我慢したりするダイエットって、きついし当然続かないですよね。
そこで私が出会ったのが「ケトジェニックダイエット」。これが私にぴったり合う長期でできるダイエット方法でした。それは、いわゆる糖質制限ダイエット。私はこれで、約6か月ほどで10kg減。
ケトジェニックを続けながら、ヨガなどの緩やかなエクササイズで、渡米前の20代の頃の体重に戻したのです。
まず、身体のエネルギー源となるのは「糖質」「脂質」「タンパク質」なのですが、エネルギーとして使われる優先順位は「糖質」→「脂質」→「タンパク質」になります。ケトジェニックダイエットは、糖質を制限していくことで、初めにエネルギーとして使われる糖がなくなり、体内の脂肪が分解されて脂肪酸になり、そしてさらに肝臓が脂肪酸を分解してケトン体を生み出します。
そのケトン体が、脳や筋肉でエネルギー源として使われます。つまり、糖の代わりに体に溜まった脂肪をエネルギー源として、どんどん燃焼していくケトジェニック体質に変わっていきます。
脂肪をエネルギーとして使うケトジェニック体質になるまでには、野菜を多くとった健康な食生活を普段している人だと、2週間ほどかかるそうです。普段甘いものを食べたり、炭水化物を多くとっている人だと5週間はかかるといわれています。
ケトジェニックダイエットは、主に脂肪と限られた量のたんぱく質から摂り、炭水化物はほぼNG。摂取する栄養の割合は、一日の食事量の75% 良質な脂質、20%タンパク質、5%炭水化物です。これらの栄養素は、できるだけ体に必要な栄養素を含んでいるオーガニックやNON GMOのホールフード(自然のまま手を加えていない野菜や果物)からとることをお勧めします。
良質な脂質やタンパク質とは、動物性ならホルモン剤や、抗生物質を打たれていないオーガニックの牛肉や鶏肉、グラスフィーズ (grass fed beef-穀物ではなく、草で育てられた牛肉)、ケージ フリーエッグ (cage free egg-放し飼いで育てられた鶏の卵)、そしてワイルドフィッシュ(wild fish-養殖ではない天然の魚)を取るようにします。
植物性の脂質なら、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らしてくれるという一価不飽和脂肪酸が豊富に含まれているアボカドや、マグネシウム、ミネラルを多く含んでいる糖質の少ないブラジリアンナッツ,クルミ、アーモンド、かぼちゃの種、ポリフェノールを多く含んでいるエクストラバージンオリーブオイル、チアシードオイルやフラックスシードオイル、、ココナッツオイル、ギー(精製したバター)など。
そして、ケトジェニックダイエットで大事なことは、水分を多く取ることや、糖分が多い根野菜ではなく、地の上で育つグリーン野菜を多くとるように心がけます。
ニューヨークでは、ヘルシーなものも、おいしく食べたいという欲望を追求した、ユニークでクオリティーの高いケトフレンドリーな低炭水化物食品が、レストランやスーパーで気軽に手に入ります。
主に、カリフラワー、ズッキーニ、アーモンドフラワー、ココナッツは主な低炭水化物の食品に使われる食材です。あと、ダイエットにタブーな砂糖ですが、代わりになる植物で作られた0カロリーの天然甘味料、ステビアやモンクフルーツも手軽に手に入ります。
そこでいくつかニューヨークで気軽にスーパーで手に入る,ケトフレンドリーな食品を紹介したいと思います。
カリフラワーのピザクラスト
小麦粉なしの、ペースト状にしたカリフラワーとチーズを混ぜて作るピザ生地。
思ったよりしっかりした生地で、食べ応え十分です。
カリフラワーライス
カリフラワーライスは、白いごはんの代わりのアレンジとしてチャーハンや、オムライス、巻きずしにも使えます。また冷凍食品でもリゾットやハーブで味付けされた調理済みのカリフラワーライスも売られています。
私は冷凍のものを常備していて、毎日のようにカリフラワーライスを食べています。ブランドによっては、水分が残っていてべちゃべちゃしているものもあるので、水分を十分に切れているのを確認して使うと良いと思います。味つけを濃いめにすると、カリフラワーのにおいも感じなくなり、6歳の息子もごはんと思って食べるほど。私はよく普通のチャーハンやナンプラーとエビでタイ風チャーハン、カレーや巻き寿司などを作ります。
ズッキーニのヌードル
ズッキーニは糖質が少ないので、ケトジェニックダイエットにはオススメです。冷凍やすでにカットされたものが生で売られていますが、自分でもスパイラル上に簡単にカットできる器具もあるので、自宅でも簡単にトライできます! また、ズッキーニの他に人参やバターナッツスクワッシュを代用することもできます。
あまり火を通しすぎると柔らかくなって水っぽく歯ごたえがなくなるので、最後にサッと火を通すのがオススメです。
しらたき
なべやすき焼きでおなじみのしらたき。エンジェルヘアーやフィットチーネの形のしらたきもよく見かけます。水で良く洗って、乾煎りをして水分を飛ばして使うと水っぽくならないのでオススメです。
私は、キノコと野菜で和風スパゲティーを作ったり、みそと豆板醤、ガーリックで味噌ラーメンの麺の代わりにして食べています。
ハウスの豆腐しらたきは、癖もなくパスタに近いですし、ラーメンバージョンもおいしくてオススメです。
アーモンドフラワー
アーモンドは、低炭水化物で糖質が少なく、良質の脂質が含まれているので、ケトジェニックダイエットには欠かせない食材です。小麦粉の代わりにベーグルや、パンケーキや、クッキー、ケーキがつくれるので、甘いものが欲しい時にはとっても嬉しい食材です。
アーモンドフラワーで作られた食パンやクラッカー、クッキーなどス―パで手に入れることが出来ます。
私はよく天然甘味料のステビアを使って、パンケーキや、パウンドケーキを作ったり、イーストを発酵させてパンを作ったりします。
ココナッツラップ、ココナッツフラワー、ココナッツオイル
ココナッツシートは乾燥させたココナッツで作ったラップ用のシートで、ラップサンドイッチや、ブリトーなどに使えます。
ココナッツフラワーは、アーモンドフラワーと同様に小麦粉の代わりにパンケーキやお菓子はもちろん幅広く使えます。
ココナッツオイルは、中鎖脂肪酸が多く含まれており、摂取するとすぐに肝臓でケトン体に変わるので、体脂肪からケトン体をつくる機能が活性化し、減量を助けてくれます。MCTオイルは、ココナッツオイルから中鎖脂質酸だけを取り出したものなので、100%中鎖脂質酸です。ココナッツオイルの香りがほぼしないので、香りが苦手な人にもお勧めです。私はサラダにかけたり、作った料理に少し振りかけたりしています。
また、バター風味のココナッツオイルもあり、ココナッツオイルのにおいがなく、香りも味もまるでバター。普通のバターよりも、ギーのようなポップコーンのバター味に近い味がします。私は、パンケーキやパンにつけたり、料理やお菓子を作るときに使ったりします。
これらの商品は、ホールフーズやトレーダージョーズ、コスコにはもちろん、普通のスーパーマーケットでも最近よく見かけるので、手軽に手に入ります。実際にこのような素材を使ったカフェやレストランもいくつかあり、その中でもユニオンスクエアにあるヒューキッチン(Hu Kitchen)では、アーモンドフラワーで作られたバンズを使ったハンバーガーやサンドイッチ、アーモンドフラワーで作ったベーグルやスイーツ、カリフラワーフライドライスなどの低炭水化物なパンや、デリメニューが豊富にあるので外食するときにはオススメです。
大好きなごはんやパン、スイーツをやめろだなんて、続かないわー!と思うけど、これらの食品を利用することで、おいしく、楽しくケトジェニックダイエットが続けられるんです。体をケトン体質にして、食べながら脂肪をめらめら燃やしていくことが出来るなんて、うれしいですよね。