ニューヨークに訪れる、もしくは暮らすとなると気になるのが治安状況。80年代後期のニューヨークはとても治安が悪く、現在観光名所となっている場所でも危険で犯罪が絶えませんでしたが、90年代にルドルフ・ジュリアーニが市長になってからニューヨークの治安は絶対的に改善されました。
今となってはマンハッタンには危険なエリアはほとんどありませんが、未だに改善されていないエリアはニューヨーク市内にはたくさん存在します。 アメリカは銃社会でもあり、どんなに観光客が多くて安全そうに見えても日本とは環境が変わります。
自身の安全を守るため、危険な地域は事前に把握しておくのがよいでしょう。 まずニューヨーク市はマンハッタン、ブルックリン、クィーンズ、ブロンクス、スタテンアイランド5地区から成り立っているので地区ごとに治安状況を見てみましょう。
マンハッタン
・ハーレム【赤囲み】安全度★
ハーレムは100年近く黒人街であることから、世界的にも有名で黒人街のメッカとも言われているほど。以前は大変治安が悪く、危険なエリアで暴行、殺人、窃盗等が頻繁でしたが、ここ10年で状況は随分改善されています。メインストリートの125丁目やコロンビア大学近くであれば訪れても問題ないほどになりましたが、まだ完全に安全とは言えないです。ニューヨークの街に慣れてから訪れる上級者向けのエリアですね。
・アップタウン【緑囲みー安全エリア】安全度★★★
アップタウンにはセントラルパークをはさんだアッパーイーストサイド、アッパーウエストサイドがあります。いずれも治安は比較的安全です。イーストサイドは上流階級層の閑静な住宅街で、ウェストサイドはイーストサイドほどではありませんが、中上流階級層の住宅街といったところです。人種は様々ですが、どちらかというと白人層の人種が多いです。住宅街のエリアは比較的安全ですが、夜のセントラルパークは大変危険ですので、絶対に行かないようにしましょう。
・ミッドタウン【オレンジ囲み】安全度★★★
高層ビルが立ち並ぶオフィスエリアです。一日中沢山のビジネスマンや観光客で沢山の人がいるので安全です。ただし、人が多い分スリや詐欺といったような軽犯罪は多いので身の回りのものや、怪しいセールスには気を付けましょう。
さらに、タイムズスクエアから西側のエリアは昔、売春やストリップクラブが多く、薬物売買も頻繁に行われていた場所です。現在は沢山お店も増えて治安は良くなりましたが、8番街や9番街等西側に行くにつれて人の行き交いは少なくなるので夜間は避けましょう。
・ダウンタウン【青囲み】安全度★★
ショッピングやレストラン、クラブ―、バー等レジャー施設が多いですが、住宅街もあるダウンタウン。お店が多いので人も多く比較的安全ですが、夜はお酒が入ってか喧嘩がエスカレートして暴行事件になったりすることもあります。
また、東側のロウワ―イーストサイド(Lower East Side)にはプロジェクトといわれる貧困層専用の市営アパートが多数あります。プロジェクトでは薬物売買やギャング抗争等のトラブルが多いので一見安全そうに見えてもこのあたりの治安は安定していません。人がいるところは基本的に大丈夫ですが、人気のない場所には近づかないようにしましょう。
ブルックリン
・ブルックリン北部【緑囲み – グリーンポイント、ウィリアムスバーグ、ブルックリンハイツ、レッドフック、パークスロープ等】安全度★★★
15年ぐらい前までは治安が悪く危険なエリアが多かった北部ですが、マンハッタンの地価が上がり沢山の人がブルックリンに住居を構えることになってから地域の治安は大きく改善されました。
また、現在このエリアは観光地としても有名になってきているため、以前は犯罪内容も強盗、殺人などが多かったですが、現在は窃盗、暴行など内容が変わってきています。基本的に川沿いは住宅街が多いので比較的に安全ですが、中部に進むほど治安の良さは減ると考えてください。
・ブルックリン中部【赤囲み – ベッドフォードスタイブサント、クラウンハイツ、ブラウンズヴィル、フラットブッシュ、イーストニューヨーク、カナシー等 】安全度★
ブルックリン北部の地域改善(高級化)がベッドフォードスタイブサントやクラウンハイツにまで進んでいるので、北部に近いエリアは危険というほどではないです。
しかしながら、ブラウンズヴィル、イーストニューヨーク、カナシーなどは貧困層が多く、黒人街も多いため治安が安定せず危険です。こういったエリアは薬物だけでなく銃による殺人や事件なども多いので、余計なトラブルに巻き込まれないためにも、近づかないようにしましょう。
・ブルックリン南部【紫囲み – サンセットパーク、ベイリッジ、ダイカ―ハイツ、ベンソンハースト、シープスヘッドベイ、コニーアイランド等】安全度★★
南部で有名な観光地といえばコニーアイランドですが、現在は治安も落ち着いているので安全です。ビーチ付近はロシア系、サンセットパークは中国系、ダイカ―ハイツはイタリア系と様々な人種のエリアがあり比較的安全ですが、夜の公園やビーチは危険ですので控えるようにしてください。
クィーンズ
・クィーンズ西部【緑囲み – アストリア、ウッドサイド、ロングアイランドシティ、サニーサイド、フォレストヒルズ、リッジウッド等】安全度★★★
マンハッタンから近いエリアということもあって、居住地として人気が高く、治安も安全です。アストリアはギリシャ系、ウッドサイド、サニーサイドはアジア系、フォレストヒルズはユダヤ系が多く階級層としては様々ですがいずれも家族住まいが多く治安は安定していて、モールやお店等が多いのもうなずけます。
・クィーンズ東部【紫囲み – フラッシング、コロナ、ジャクソンハイツ、エルムハースト、ベイサイド、リトルネック等】安全度★★
世界一の移民族数を誇るクィーンズですが、北部には沢山のアジア系人種が居住しています。基本的に安全地域ですが、一部コロナやフラッシングメドゥズの公園などはラテン系の貧困層が居住していて、このあたりには注意が必要です。
・クィーンズ南部【赤囲み – ジャマイカ、オゾンパーク、ハワードビーチ、ローズデール等】安全度★ クィーンズはブルックリンと比べて犯罪数は少なく治安も安定しているところがほとんどですが、南部の治安はあまりよくありません。ジャマイカはアフロアメリカ系、オゾンパークはインド系、ハワードビーチは白人系の居住が多くみられますが、全体的に貧困層が多くみられます。空港近くは安全そうに思いがちですが、このあたりも犯罪が比較的多いので要がなければ近寄らないようにしましょう。
ブロンクス
・ブロンクス北部【緑囲み】安全度★★★
ブロンクス北部は富裕層の居住地になっていて治安は安定しています。エリアに住んでいる人たちはほとんどがマンハッタンで勤務していますが、自宅ではニューヨークの喧騒からのがれゆったりとして生活ができるからか人気のエリアです。
・ブロンクス南部【赤囲み】安全度★
北部と対照的な治安状況で、南部は地元の人も近づかないほど。昔から、ギャングの抗争や銃犯罪が絶えません。一時に比べると良くなったという人もいますが、まだまだ気が抜けないエリアです。ヤンキーススタジオがあることでも有名なエリアですが、野球鑑賞以外には近づかないようにすることをお勧めします。
スタテンアイランド
安全度★★★
ニューヨークの5地区の中で犯罪数が少ない地区ですが、居住数が他の地域と比べると少ないという点もあるかもしれません。イタリアやヨーロッパ系の人種が多く比較的安全なエリアといっていいでしょう。
以上がエリア別の治安情報です。 ニューヨークは危険で怖いイメージがありますが、ほとんどのトラブルは自身の行動に気を付けることによって回避することができます。下記はニューヨークで生活するにあたっての安全のヒントですので参考にしてください !
1.深夜の公道は控える!
ナイトライフが充実しているので、安全そうに見えますがやはり犯罪が起きやすいのは夜です。観光地や公園も夜になると危険なエリアに変わるので注意してください。
2.人気のない場所は避ける!
昼でも人気がないところにはいかない どんなに観光地でも時折、人気のない道を見かけたりしますが、危険な場所はエリアに限られないので、少しでも普通とちがう空気であれば近寄らないようにしましょう。
3.フレンドリーだからと言って安心しない!
知らない人の話を信用しない ニューヨークでは気軽に声をかけてくる人がいますが、中には詐欺のようにお金をだましとるような人もいるので要注意です。