みなさん4月2日が国連が全世界の人たちに自閉症への理解を深めてもらうために定めた国際自閉症啓発デーだったことをご存知でしたでしょうか?
ニューヨークのエンパイアステートビルもその日は自閉症啓発デーにちなんで自閉症のテーマカラーである青一色に点灯していました。
それを皮切りにアメリカでは4月は自閉症啓発月間となっており、自閉症の理解や自閉症の人々をサポートするための活動がいつもよりも活発に行われています。
日本でも4月2日から8日まで厚生労働省が発達障害啓発週間として定め、各地で啓発イベントが行われました。2日は東京では東京ゲートブリッジや都庁もブルーにライトアップしました。
―自閉症のロゴとその意味―
アメリカでは自閉症のテーマカラーはブルー、ロゴはカラフルなパズルのピースの形がよく知られています。それらにはどういう意味があるのでしょう?
青い色はオーティズム スピークス(Autism Speaks)という著名な自閉症団体のカラーでもありますが、「癒し」や「受容」などの意味もあわせ持っています。
4月2日はアメリカ各地で「青く灯そう(Light it up Blue)」という青い色の洋服やアクセサリーを身に付けたりエンパイアステートビルのように青い色を灯すキャンペーンが毎年行われます。
青い色の他に、自閉症のロゴとしてよくカラフルなパズルのピースを目にすることがあります。このシンボルは1960年代から自閉症関連団体によって使用されており、パズルは自閉症スペクトラムの複雑さや、まだ全てが解明できていなく、解くべきパズルのようであるという意味をもち、カラフルな色は自閉症をもつ多種多様な人たちを表現していると言われています。
ただ、最近ではパズルピースをロゴに使用することへの反対意見(パズルピースを使うことで「不完全さ」や直すべき「問題」という点を強調している、子どもっぽい印象のロゴのため自閉症は子どもだけの症状のような誤解を招くなど)も出てきています。
―自閉症とは?―
自閉症とは、原因はまだ不明なことが多いものの、先天的な脳の機能障害によると考えられている発達障害のひとつです。主に社会性、コミュニケーション能力、想像力の3つの分野になんらかの難しさがみられる障害です。知的障害を合併している人から、知的に通常よりも高い人までと幅広く、症状にも個人差があります。
そのため「自閉症スペクトラム(Autism Spectrum Disorder, 以下ASD)という言い方を使用します。アメリカの疾病予防管理センター(CDC)の統計によると現在59人に1人(男子:37人に1人、女子:151人に1人。男子は女子の4倍)の割合でASDの診断を受けている子どもがいて、年々増加していると言われています。
4月の自閉症啓発月間をきっかけにより自閉症への認識を高め、身近に感じられるといいですよね。またそうすることで社会全体の理解が深まり、より良い環境を築いてあげられるでしょう。