アメリカの医療制度は日本と比べるととても複雑で面倒なことがたくさんあります。アメリカに住んでいて体を壊して病院で診察を受けて処方箋を出してもらったにも関わらず、ドラッグストア内に併設されている処方箋の窓口で、「この保険はうちでは使えません。」と断られる事は多々あります。
その上、その処方箋の料金でさえ高額な場合になるケースもありますし、少しの診察や検診でも高額の医療費の請求がくる場合があるのでほとんどのアメリカ人は少しの体調不良や風邪を引いただけではまず、病院に行きません。「ちょっとした不良だったら医者に行かず自分でなんとかしよう。」というのがアメリカ人の常識でもあるのです。
そのような背景もあってかアメリカの市販薬は日本よりもずっと種類が豊富です。
日本では処方箋がないと購入できない薬も、アメリカのドラッグストアに行けば市販薬としてすぐに購入できたりします。ドラッグストアや大きなスーパーに行くと有名なブランドの痛み止めがセールになって安売りされていることも。
OTCとは
処方箋なしで買える市販薬のことを「OTC (Over the counter)」と呼びます。
OTCの種類としては風邪薬、解熱鎮痛剤、抗アレルギー薬といった日常的な健康障害に対する薬です。基本的に病気そのものを治す薬ではなく、対症療法で一時的に症状を抑えるタイプの薬がほとんどです。
「Behind the counter」と言われる薬も存在します。こちらは乱用防止のために1月に買える量が決まっていて、鼻づまりの薬や緊急避妊薬などが含まれます。これらの薬も大体薬局においてあり、処方箋なしで買えるので薬局の人に尋ねてみてください。
アメリカで一般的な市販薬
＜風邪薬＞
アメリカで風邪薬といえば「タイレノール(Tylenol）」がよく知られており、病院でドクターも「タイレノールを飲んで休んでください。」というほど一般的です。このタイレノールは解熱鎮痛剤、咳止め、鼻水止めと種類が沢山あるので購入するときは、自分の症状と合っているかきちんと確認してから購入しましょう。風邪薬のタイレノールはタイレノール・コールド(Tylenol Cold)と表示してあるものを選びましょう。
タイレノールと同じく有名な風邪薬で昼用の「DayQuil（デイクール）」と夜用の「NyQuil (ナイクール) 」があります。日本でも知られている「Vicks (ヴィックス) 」の製品です。どちらとももカプセルとシロップのタイプが売られています。
※時には注意が必要!
日本人の中にはアメリカの風邪薬が強すぎる場合があるそうです。薬の副作用で急な激しい動悸や息切れ、眠気、吐き気などに襲われたという人もいるようなので、場合によっては処方量の半分から服用し始めるのもいいかもしれません。
＜咳止め用のど飴＞
日本でも売っている、咳止め専用ののど飴は「ホールズ (Halls) 」。アメリカでは袋入りで売っています。ドラッグストアで探す場合はキャンディーコーナーではなく風邪薬が売ってあるセクションに置いてある場合が多いです。
＜鎮痛剤、解熱剤＞
一番有名な鎮痛剤、解熱剤は「アドヴィル (Advil）」。発熱や頭痛、なんらかの痛みがあるときはこの薬を利用する人が多いです。
＜抗アレルギー薬＞
花粉症、虫刺されのかゆみには抗ヒスタミンで一般的な薬が「ベナドリル (Benadryl）」。鼻水、痰を抑えますが、眠くなる作用があるそうです。車の運転前には服用しないことと、アルコールや睡眠剤などと一緒に服用すると危険なので注意しましょう。
＜切り傷、火傷の塗り薬＞
アメリカのお家には必ず置いてある軟膏の「ネオスポリン (Neosporin）」。軽い火傷で水で冷やした後、消毒し切り傷、擦り傷などの患部に塗ると後が残らずに治るんだそう。
＜睡眠導入剤＞
眠れない時にアメリカ人はよく「メラトニン (Melatonin）」という睡眠導入剤を飲みます。サプリメントのように気軽に服用でき、時差ボケ解消にも効果があると言われています。
＜筋肉痛＞
日本ではサロンパス的な存在で筋肉痛や腰痛に効く塗り薬「ベンゲイ (Bengay）」。肩こりがひどい時にこれを患部に塗ると翌朝は肩がラクになるという人もいるようです。
ニューヨークで代表的なドラッグストア
・CVS
・RITE AID
・DUANE READE
・WALGREENS
まだまだここで紹介した以外にも、日本では処方箋なしで手に入らない様なタイプの市販薬が売られています。少しの体調不良が起きた場合は是非参考にしてみてください。
