ニューヨークで介護サービスを受けるのに知っておくべきコト

ニューヨークに住んでいて介護サービスが必要になった場合どのようなサービスを受けることができるのでしょうか? またはどのような選択があるのでしょうか?

日系コミューニティが全米で大きいとされているカリフォルニア州、ワシントン州、ハワイ州では日系高齢者福祉施設やデイサービス、福祉サービスなどはその設備が手厚く展開されつつあります。 しかし、アメリカ全体を見てみるとメディケア(高齢者向け公的医療保険制度)と呼ばれる国をあげての制度は、高齢者の医療費をしっかりカバーしてくれるが、長期在宅介護向けの限定的な給付制度を定めるべく動き出したのは、ようやく最近になってからと言われています。

さらに、そうした給付の対象となるのは一般的に、メディケア・アドバンテージ・マネージドケアプラン(Medicare Advantage managed care plan)に加入している人だけで、介護保険をきちんと利用できる人は限られてきます。 ではニューヨークでは一体どのようなサービスが展開されているでしょうか。

<在宅サービス (Home Care)>

以前はアメリカでは老後に高齢者専用のコミュニティに移り住む人が多かったそうですが、最近では「住み慣れた我が家」で最後まで暮らしたいという人たちが増えているそうです。そこで、在宅看護、介護、家事援助サービスの需要が高まってきています。

主に各専門家が自宅を訪問し必要なサービスを提供しますが、在宅サービスには州や市政府の援助を貰って運営している団体から、民間企業まで色々な種類の団体があります。それぞれの団体によって提供しているサービス内容、費用はすべて異なるので、いくつかの団体やエージェンシーの担当者に相談することが重要になります。


その時に確認するべきチェックリストは以下の通り

ー事業主、責任者は誰か?
ー担当者の経歴、評判
ー前向きなプラン、介護計画を立ててくれるか?
ーこちらの要望に沿った計画を立ててくれているか?

ー話を十分聞いてくれるか? ー地域の情報を収集しているか?
ー事業主のサービスを押し付けてこないか? ー苦情や相談に素早く対応してくれるか? (派遣される人が気に入らなかった場合、変えてもらえることは可能か など)
ー派遣される人のリファレンスが取れるか?
ー派遣される人の犯罪歴、セクシャルハラスメント、薬物使用歴などのチェックをきちんと行っているか?

ー利用者の経済状態を把握したプランを立ててくれるか?
ー担当者の担当範囲を超える相談に対し、他団体や他の専門家を紹介してくれるか?
ー高齢者のバケーションの過ごし方といった、介護以外の相談にもきちんと対応してくれるか?

相談するとき、自分の要望がきちんと伝えられるようにまとめておく事が大切です。自分の要望と専門家の言う「必要なサービス」に食い違いが生じたときは是非セカンドオピニオンを取り自分の納得のできるサービスを選ぶようにしましょう。


<主なサービス内容>

◼︎在宅看護サービス (Home Healthcare, Skilled Nursing Service)
看護師 (Registered Nurse) が医療行為 (注射、点滴、患部の手当など) を専門に行います。 費用は1時間あたり平均$50~$200 ※ケースによってメディケア、メディケイド、米国介護保険でカバーされます。

◼︎在宅介護サービス (Home Care)
介護士(Registered Nurse Aid, Certified Home Health Care Assistant, etc,)の資格を持った専門家が介護(着替え、洗面、入浴、歩行、排泄など)を行います。 費用は1時間あたり平均$7~$30 ※ケースによってメディケイド、米国介護保険でカバーされます。メディケアは一部の例外を除きカバーしません。

◼︎家事援助サービス (Housekeeping, Homemaker Service) 買い物、調理、洗濯、掃除といった家事の手伝いになります。 費用は1時間あたり平均$7~$25 ※ケースによってメディケイド、米国介護保険でカバーされます。メディケアはカバーしません。


◼︎ニューヨーク州が運営する在宅看護専用サイト
Visiting Nurse Service New York


<デイケアサービス (Adult Day Health Service, Adult Day Healthcare Programs, etc.) >

日本では「日帰り通所施設」と呼ばれ、身体的に衰弱になった方、認知症(アルツハイマー、脳血管性認知症など)の方が対象でリハビリ、音楽、手芸、ダンスや討論会といったアクティビティなどを提供しています。 施設によっては送迎サービスがあるのでひとりで外出すのが困難な方でも参加することができ、施設にはソーシャルワーカーや介護職員がいるので気軽に相談に乗ってもらうことが可能です。



デイサービスを探す時のチェックポイント

ー場所は自宅からどのくらい離れているか?
ー送迎バスはあるか? あるとしたら車椅子対応で座席にシートベルトがきちんと付いているか?
ー地域とどれだけ密接に結びついているか?
ー利用者や家族の会があるか?
ー日常の生活を重視してくれているか?
ー緊急時の対応をきちんとしてくれるか?
ー職員は丁寧でコミュニケーションがきちんと取れるか?
ーオムツの交換や薬の投与に対応してくれるか?

<配給サービス (Meals on Wheels)>

シニアセンターやナーシングホーム、民間のエージェンシーが自宅まで食事を届けてくれるサービスです。食事は1日1回調理されたものが届いたり、週に1度冷凍になった食事がまとめて届けられるなど団体によって形式や費用が異なります。費用は$1の低料金のものから1ヶ月$300程度かかるものまで様々です。

「日米ソーシャルサービス」による案内は
コチラ Meals on Wheels America CIty Meals NYC Meals on Wheels -R.A.I.N

<ショートステイ (Respite Care)>

在宅看護、介護を受けている高齢者が家族や介護を担っている人の休養、バケーションや緊急な用事ができたときのために、一時的に施設に短期入所するサービスです。ショートステイを行っている施設は数が少ないので利用を考える場合は早めに担当者にコンタクトをとりましょう。

ショートステイ利用時に確認しておくべきチェックポイント

ー入所中の過ごし方について相談や提案があるか?
ー清潔な施設か?
ー生活実態(スケジュールや食事など)があっているか?
ー風邪などを引いた時も利用可能か?
ー利用者個人の尊厳、プライバシーがきちんと保たれているか?
ーフタッフはフレンドリーか?
ー他の入所者は楽しそうか?

<シニアセンター (Senior Center)>

シニアセンターはコミュニティに住む高齢者のための核としてランチサービスやアクティビティ、ケースマネージメント(個人が抱える問題を整理し、必要に応じてサービスのアレンジを行う)、ケースアシスタンス(個人が抱える問題についての対応)、配給サービス、栄養指導といった様々なサービスを提供しています。それぞれの施設によって提供するサービス内容は異なりますので、事前にリサーチするとよいでしょう。

ニューヨーク州のシニアセンターのWebサイトはコチラ

 


自分や家族が本当に納得のいくサービスや施設を見つけることは決して簡単なことではありません。まずは慎重に出来るだけたくさんの情報を集めることが重要といえるでしょう。

在ニューヨーク国総領事館による「高齢者の方に対するサービスや情報提供を行なっている機関、団体など」のWebページでも各サービスの情報を公開しているので是非参考にしてみましょう。

 

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