ニューヨークでオリジナルワインを作ろう!

ニューヨークの体験コラム

普段何気なく飲んでいるワイン。もし自分の手で作れるとしたら!? しかも1年かけて!
そんな夢のような体験ができる場所がニューヨーク近郊にあります。
今回の体験コラムでは実際に1年を通してワイン作りを体験した様子をご紹介します。

お隣のニュージャージー州ラムゼイ(Ramsey) 、マンハッタンから1時間ほど車を走らせるとリカーショップの裏に隠れるように「カリフォルニア・ワイン・ワークス(California WineWorks)」があります。その名の通り、カリフォルニア州の有名なワイン産地ナパやソノマから葡萄を取り寄せて、オリジナルワイン作りが体験ができる施設なのです。

オーナーのCraigさんとKarlaさんご夫婦はワイン好きが高じてこの施設を2005年にオープンされました。何と今でも普段は会社勤めをされており、収穫時期は週末や仕事終わりの時間をやり繰りしながらお客さんの対応に当たっているそう。

私がこのワイン作りを知ったのは昨夏、得意先の会社の方がオリジナルワインを作っていてボトル詰め体験をさせてもらった事がキッカケでした。とても楽しくて「これは全行程を体験したい」と思い周囲の友人に声をかけて、いざ有志でスタートする事にしました。

作るワインの量は一樽まるごと(フル)から、半分(ハーフ)、四分の一(クォーター)から選べます。もちろんナパかソノマ好きな産地を選べるし、葡萄の種類を選んで、さらにはブレンドも可能。そして樽の種類もフレンチオークかアメリカンオークから選べます。

これらの組み合わせによってお値段が変わってくるという仕組み。フル樽だとでおよそボトル240本になりますが、まずは初年度なのでハーフ樽120本からスタートする事にしました。そして一番お安いソノマ産カベルネソービニョンとアメリカンオーク樽の組み合わせに決定。

1年のスケジュールを大まかに説明すると、9月・10月に収穫された葡萄を潰して1週間ほど発酵させます。その後ワインを樽に詰めてワインを寝かせます。3月には樽から直接ワインを飲める試飲会があり、そして8月、出来上がったワインをボトルに詰めてコルクでとじてオリジナルワインが完成!合計3回(試飲会を除く)の作業でワイン作りの行程をほぼ全て体験できます。

全くの素人でも大丈夫。CraigさんとKarlaさんが丁寧にアドバイスをしてくれ、樽でワインを寝かせている間も彼らが蔵の管理をしてくれます。

それでは実際に体験した様子を少しだけご紹介します。


<9月・10月 葡萄クラッシュ>



秋の葡萄収穫シーズンにワイン作りは始まります。カリフォルニア・ワイン・ワークスが提携しているナパやソノマのワイナリーで収穫された葡萄が運びこまれ、最適な状態で収穫された葡萄が届けられるので、実際にいつ葡萄が届くか直前まで分かりません。私達の時は10月11日に「葡萄が届いた」と連絡があり、10月20日に葡萄クラッシュ(潰し)がスケジュールされました。収穫してからあまり間を置かず、およそ1週間を目安に葡萄を潰すようです。

オーナーのCraigさんも通常業務があるので、土日と平日の夜から都合のいい日を選ばせてくれました。当日はマンハッタンから車の乗合で現地へ向かいます。




山積みにされた葡萄を目の前にしてワイン作りへの期待が高まります。まずは葡萄を茎と身に分ける作業から開始し、大きな機会に葡萄を次から次へと投げ入れていくと、自然に身の部分だけを選り分けてくれます。

次は皮が付いた状態の葡萄の実を、攪拌していきます。実は周囲にワイン作りの話をすると決まって言われたのが「足で葡萄を潰すんだよね?」なぜか裸足で葡萄を踏んでいるイメージが強いようです…こではもちろん裸足ではなく長い棒でバケツに入った葡萄を押して潰しました。結構な力作業ですがこの葡萄クラッシュはワイン作りのハイライトのひとつ! とても楽しかったです。この状態はまだ純粋な葡萄果汁。



次は、この果汁をアルコール飲料に変える酵母を準備します。この酵母は色々な種類があり、選ぶものによってワインの風味が変わるのだそう。ど素人集団の私達は素直にKarlaさんお勧めの酵母を選びました。酵母の働きについて話を聞きながら、きっちり量を測って…何だか理科の実験を思い出します。

酵母を葡萄果汁に混ぜて、また攪拌して本日はここで終了です。顔を近づけると葡萄のいい香りに包まれて既に幸せな気持ちでいっぱい。発酵が進むの待ちます。

<9月・10月 プレス樽詰め>

さて、葡萄クラッシュからおよそ1週間後に果汁をプレスして樽に詰める作業へ移ります。発酵が進んでいる葡萄の果汁は、オーナー夫妻が管理してくれているのですが状態によっては予定がずれる事もあります。 到着すると早速、バケツで発酵させていた果汁を確認させてもらいました。近づいてみると既にアルコールの香りが! これは発酵が進んでいる証拠なんだとか。シュワシュワと音も聞こえてきて本当にワインは「生きている」と実感しました。



まだ葡萄の皮や種が残った状態の果汁に、籾がらを入れて混ぜる作業から始めます。機械に入れて果汁を圧縮する時に、籾がらを混ぜておく事で葡萄の身が滑りにくくなるのだそうです。




次はこの重たい果汁を小さなバケツですくって、手作業で圧縮機械に入れていきます。




圧縮して純粋な果汁だけが抽出されるのですが、これがとても美味しいのです。これだけボトルに詰めてもって帰りたいくらい…。まだアルコールが弱いのでブドウジュースと呼んでいました。こんな状態のジュースを飲めるのも貴重な経験ですよね。



さて、この「ジュース」をチューブを通して樽につめて、本日の作業は終了です! 樽は施設内にある ケーブ (The Cave)と呼ばれる場所で保管されます。

このケーブ内には多くの樽が保管されています。それぞれの樽の中で各グループが作ったオリジナルワインが育っていきます。樽からは木の香りと葡萄のアロマが漂います。ワインメーカー (Winemaker)として代表者の名前も刻まれ、自分達の手でワインを作っている実感が湧いてきます。それでは、ここから春の試飲会まで暫くお休みです。

 

<3月 試飲会>



春になるとワインの出来を確かめる試飲会が開かれます。ここでは一番の人気のイベントでワイン作りの仲間はもちろん、他に家族や友人なども招いて皆んなで楽しむことができます。 オープンハウスとして3月の週末は樽が保管されているケーブが開放されます。なんと自分達の樽だけではなく他のワインメーカーのワインも樽から直接、試飲することができるんです! 手塩にかけた我が子のお披露目会といった所でしょうか。

もう10年ほどワインを作っているという男性は自慢げに「私のワインを試してみて! (Taste my wine)」といって試飲させてくれました。本当においしかったです。私たちのワインはというと、まだ成長途中だから? この時点では正直美味しい、とは言えませんでした…。

より高価なナパの葡萄やフレンチオーク樽のワインは気のせいか美味しく感じたり。でもまだボトル詰めまで5か月あります。頑張って美味しくなってね!と念を込めておきました。

また、食べ物持ち込み可なので、この日はワインに合うおつまみをちゃんと買って行きました。ベテランの方はお気に入りのワイングラスまで持ち込んでいました。お互いのワインを褒め合ったり、来年はこの葡萄にしようと盛り上がったり。とても楽しい一日でした。

<8月 ボトル詰め>

夏が終わりに近づく頃、いよいよワインのボトル詰めの時期がやってきました。ボトル詰めは作業が多いのですが、簡単な作業も多いので、お子さんも安心して参加できるため子供がいるグループも多く見かけました。



まずはボトルを水洗いします。木の樽からチューブを機械に繋いで、ボトルをセットすると、一定量のワインがボトルに詰められます。




次はコルクを詰める作業。コルクを開けることはあっても、詰めることはありませんよね。コルク詰め専用の機械があるなんて、初めて知りました。用意されたコルクを機械に入れて上からバーを引くと簡単にコルクを詰めることが出来ます。

さて次はキャップシールをボトルのそそぎ口にかぶせる作業。キャップシールとはコルクの上にかぶさっているもの。ワインを開ける時に剥がすのに苦労するアレですね。このキャップシールも好きな色を選べます。かぶせたキャップと熱風が出る機械に入れると瞬時に張り付きます。



ここではオリジナルラベルも施設に依頼して作ることもできます。ボトル詰めの前に準備しておき、作業の終わりに貼ってしまう事をお勧めします。ラベルも各人の個性が出て面白いですよね。私達は今年はラベル準備が間に合わなかったのでラベルなしにしました。これも個性的という事で…。

またワインの出来はというと…3月の試飲会から変化して、予想を嬉しく裏切ってとても美味しくなっていました! 手塩にかけたワインはより一層美味しく感じますね。ちょっと親バカにもなっているかもしれませんが、ワイナリーの方が嬉しそうに自分達のワインについて話す気持ちが少し分かった気がしました。
この日もワインに合うフードを持ち込み、作業が終わった後に出来あがったワインを仲間と共に楽しみました。

出来上がったワインは金額に換算すると1本$23.5。体験料や施設利用、ボトル諸々のお値段、何より世界に数本とないオリジナルワインと考えると非常にお得な印象です。

家族で毎年作っている人達もいれば、社員の家族もワイン作りに参加して会社のチームビルディングにしているグループもありました。アメリカではフード持ち寄りのホームパーティーやBBQも多いで、「今年作ったワインを持ってきたよ!」と持参できたら話も弾むでしょう。ワインと一緒に「素敵な思い出」を作れる体験でした。

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