米国に3ヶ月以上滞在する場合、滞在先の住所や電話番号、緊急連絡先、本籍地、パスポート情報を、管轄する日本国大使館・総領事館(在外公館)に届け出る必要があり、これを在留届といいます。この届出は旅券法によって義務づけられているので、渡米後、住所が確定したら在留届を提出するようにしましょう。
在留届は領事館が地域にどれくらいの日本人が居住しているかを把握するのに利用されています。その他、海外に住む日本人のための医療や教育施策を決めていくことに利用されたり、政府機関で様々なことに利用されています。また、この届出の素晴らしいところは登録した人々にもたくさんの特典があることです。
「在ニューヨーク日本国総領事館」による在留届の提出方法はコチラ
1.現地でトラブル等に巻き込まれた際の対応
海外でトラブルに巻き込まれることは避けたいですが、日本人が事件や事故、天災に巻き込まれてしまった場合、領事館(在外公館)が在留届で登録されている日本の所在地や連絡先にコンタクトを取り、援護活動を行ってくれます。例えば、何らかのトラブルが発生し被害者が日本人だった場合、米国の政府機関(警察等)から領事館に身元確認の連絡が入ります。
被害者が在留届を提出している場合、領事館では日本の家族と連絡を取るなどしてその後の対応をサポートしてくれます。日本人であれば在留届を提出していなくても、身元確認などの対応は行ってもらえますが在留届を提出していれば、身元確認が短期間ででき、より良いサポートを行ってもらえるので安心です。
2.緊急ニュースや領事館からのお知らせをメールで受けることができる
在留届を提出すると領事館からのお知らせメールを受信することができます。このお知らせは、テロや天災等の緊急時や、感染症流行、詐欺暴行事件等、安全に生活をしていく上で重要な情報となります。
ニューヨークで米国の生活に慣れていると普段のニュースも自然と耳に入りますが、渡米後すぐの慣れない環境で現地の状況を把握するのは困難ですし、海外のニュースだと日本人にとって必要な情報が公表されない場合もあるので大変便利です。
また、このメールサービスでは大規模な事件や天災が起きた際に、領事館から在留者に連絡がいき、在留者からの返信内容を領事館が安否確認として管理し、在留者が家族に直接連絡が取れない場合は代わりに連絡をしたり、メディアに最新安否情報として提供したりすことがあるそうです。
万が一の際に備えておくためにも登録をお勧めします。
(尚、このメール配信サービスは、在ニューヨーク日本国総領事館の管轄地域に居住しておらず、在留届を提出していない方でも、コチラから登録することが出来ます。)
3.緊急情報時の連絡
在留届で登録した携帯電話番号は緊急時の安否確認や救援活動などを、ショートメッセージで緊急情報の発信に利用されるので、もしもの時はタイムリーに領事館から緊急時の案内を受けることが可能です。
登録すると54120の番号から通達がきますが、必要なければこの番号に「STOP」とテキスト送信すると受信停止することが可能です。また、この番号に「HELP」と送信すれば、ショートメッセージサービスの概要が送信されるので、興味がある方はぜひご利用ください。
尚、このテキストサービスは契約の携帯電話サービスによっては料金がかかることがあるのでご注意ください。
以上が在留届の特典になりますが、その他にも登録をしていることで領事館で提供しているサービスの手続きがよりスムーズになったり、地元警察が落し物を領事館に連絡したことによって、落し物が返ってきたというケースもあります。
在留届は提出することを義務付けられていますが、なぜか在留邦人に浸透していないのが現状です。もし、まだ登録を行っていない場合は、なるべく早く手続きを行うようにしましょう。
より安全で安心して暮らすことができるので大変便利なサービスですし、領事館はなかなか足を運ぶ機会がありませんが、いざという時にはお世話になる機関です。自身の身の安全と、もしもの時に備える意味でもぜひ行ってみることをお勧めします。