ニューヨークの社会保障について~パート1~

ニューヨークに住んでいて日本と比べ色々なことが違い、不慣れな中で社会保障の正しい情報収集や申請が億劫になることもあると思います。今回はアメリカ政府とニューヨーク州がそれぞれ実施している社会保障についてご紹介します。

1.健康保険

医療保険は日本とアメリカのシステムは大きく違いとても複雑です。 雇用先で保険が提供されている人はそれに加入すれば良いので特に問題ありませんが、そうでなければ個人で民間の保険に加入しなければいけません。 2014年1月1日からオバマ政権が進めた医療保険制度改革(通称オバマケア)により国民の保険加入義務が執行されました。

それに伴い、2013年10月1日から『医療保険マーケットプレイス(Health Insurance Marketplace)』が開設され簡単に保険プランの比較ができるようになりました。

それにより、アメリカの健康保険はマーケットプレイスを通じて申込みをすると、合衆国の補助金が与えられたオバマケアの基準を満たす保険(MEC)の申込みやプランの変更ができたり、国からの補助金をもらったり、その他のプログラム(メディケイド(Medicaid)といった低所得者用公的医療保険やチップ(CHIP))が利用できるかを確認したりすることができるようになりました。  


<医療保険に関わる知っておいきたい用語>
ープレミアム (Premium) 
保険会社に支払う保険料。月額、年額、年4期で被保険者または雇用主が支払う。

ーコーペイ (Copayment) 
保険プランが保障する医療サービスを受けた時に被保険者が医療機関に支払う一定額。医療サービスによって金額が異なることもある。

ーデダクタブル(Deductible)  
保険会社が医療サービスを保障する前に被保険者が負担する金額。 例:デダクタブルが$1,000の場合、$1,000を最初に支払わなければ保険会社はカバーしない、又はすべての医療サービスにデタクタブルが適応されるとは限らない。

ーコーインシュランス (Coinsurance) 
保険適用時に被保険者が負担する割合。 例:デタクタブルを満した後診察が$100、コーインシュランスが20%の場合20%を支払い80%は保険会社が支払う。

ーマキシマムアウトオブポケット(Maximum Out of Pocket) 
保険会社が医療サービスを全額保障する前に年間に自己負担する最高額。でダクタブル、コーインシュランス、コーペイ、その他保障されなかった自己負担額を含む。


<民間の保険でカバーされるザービス & されないサービス>
ー民間の保険でカバーされないサービス 保険の種類によってカバーされるサービスは異なります。以下のサービスはカバーされていないことがよくあるのでプランを調べるときに参考にしてください。

不妊治療
歯科治療
眼鏡、コンタクトと眼科検診
減量手術
整形手術
鍼治療
長期介護
特定の処方箋薬

<歯科保険>
歯科保険にも医療保険と同じようにどのシステムを選択するかによってカバーされる内容が変わります。保険がおりる金額は年間制限があり治療を開始する前には反疾患の有無を確認する期間を設けており、約半年間~10か月間待たなくてはならなりません。
ただし、この期間中でもクリーニング屋定期検診はカバーできるプランが多い。通常の治療はほとんどが保険適用となるが、歯列矯正や義歯は一部負担やオプションとなっている場合がああります。

<妊娠、出産児の保険>
アメリカでの出産は健康保険でカバーされるが、保険に加入していない場合は病院により自然分娩で約$9,000~$17,000、無痛分娩で$10,000~$18,000、帝王切開になると$14,000~25,000かかると言われています。オバマケアで2014年1月1日より、今まで難しかった既に妊娠している人でも、保険に加入することができるようになりました。しかし今後妊娠、出産を考えている方は前もって保険に加入してくことが強く推奨されています。

<眼科保険>
目の病気や怪我は通常の医療保険が適応されますが、その他の定期的検査、眼鏡、コンタクトレンズに関する費用はカバーされない場合がほとんどなので別途眼科保険に入る必要があります。

<処方箋薬保険>
医師から処方される薬の費用をカバーします。医療保険に付随している場合が多く、薬局でカードを提示すると保険適用後の低価格で購入、もしくは無料になります。 しかし、いざお医者さんで処方箋をもらい、その後、日本のようにどこでも好きな薬局に行ける訳ではありません。テキトーに薬局を選んで行き処方箋を差し出したところで「あなたの保険はウチでは使えません。」と言われることもあるので、事前に自分の保険が使える薬局を確認しておきましょう(保険会社に確認すれば簡単に分かります)。

<労働災害保険( Worker’s Compensation)>
アメリカの労働災害保険は、従業員の業務上の不慮の事故、災害、職務が原因の病気などを保障をするもので、雇用主に対して加入と保険料の支払いが義務付けられています。業種によって保険内容や保険料は変わり通常雇用主が全額負担します。

2.NY州政府の医療保険 メディケイド

プライベートの保険料が高すぎて加入できない方にはニューヨーク州は所得に応じて利用出来る多種多様の公的医療保険やプログラムがあります。

ーメディケイド、チャイルドヘルスプラス(19歳未満) 低所得者

ー妊婦用メディケイド 妊娠中の女性

ーエッセンシャルプラン メディケイドよりも所得が高い市民権・永住権保持者や居住証
明のできるビザ保有者などの非移民(Non-Immigrants)

ーメディケイド・エクセスインカム・プログラム メディケイドの規定所得額より所得が少し多い方でも、多い分を掛金として支払ってメディケイドに加入することができます。 ただし、同プログラムを利用できるのは、21歳未満の子どもやその親、65歳以上の高齢者、障がい者、妊婦となっています。

3.公共住宅(パブリックハウジング)

ニューヨーク市が保持しているアパート(プロジェクトアパートメント)を低・中所得者に賃貸するプログラムで、New York City Housing Authority が管理しています。 部屋数と家賃は家族構成によって決定されます。 規定は The United States Department of Housing and Urban Development (HUD) によって定められています。

<該当資格>
・一般人用アパートの場合、申請者(と共同申請者)が18歳以上であること。

・高齢者用アパートの場合、申請者(住む人全員)が62歳以上であること。

・アクセッシブル・アパート申請の場合、申請者またはその家族が生涯車椅子、歩行器、杖等の使用が不可欠であること。

・アパートに住む家族の誰かがアメリカ市民、または永住権保持者(家族の中に不法滞在者がいても申請権はある)であること。

・世帯所得が下記の各所得以下であること。 資産は考慮されませんが、利子や配当は収入に含まれます。

手続き方法や必要な書類はコチラをご参考に!

4.ハウジングロットリー Housing Lotteries

プログラムに参加している各アパートメントが住居者を抽選で選出するプログラムで、 Department of Housing Preservation & Development (HPD) が提供しています。

抽選に応募するための規定所得は物件ごとに異なるため、市のホームページに掲載されてあるアパートメント・リストからご自分の所得に該当する物件を選びます。

以下のリンクで現在抽選対象のアパートメント、リストの確認と申請がコチラから可能です。


パート2に続く

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